コラム/ナレッジ

2025/

10/28

高市政権のCOP30欠席は「沈黙の外交」か?トランプ大統領と笑顔で握手

柏崎和久

株式会社I.T.I. 代表取締役社長

マイクログリッド国家戦略の胎動

先週、高市早苗首相がCOP30への出席を見送るというニュースが報じられた。
メディアの多くは「日本の存在感低下」と伝えるが、私は逆に、これこそが“高市流の外交”だと感じている。

 

いま世界は、理想と現実の狭間で揺れている。
脱炭素の理念を掲げても、エネルギー価格の高騰や供給不安の前では、多くの国が現実主義へと舵を切り始めた。
そうした中で、高市政権が優先したのは、国家の構造を立て直すための国内改革である。
COP欠席は「対話の放棄」ではなく、「行動による意思表示」だ。

 

本日のトランプ大統領との会談は、この流れを象徴するように見える。
トランプ大統領はパリ協定離脱を決断した政治家として知られるが、
その本質は「雇用と産業を守るエネルギー主権」の確立だった。

 

そして高市首相もまた、理想よりも実行を重んじる現実主義者である。
二人の対話は、理念外交ではなく、エネルギー安全保障を軸とした構造外交の始まりだ。

 

日本が直面する最大の課題は、エネルギーの自立だ。エネルギー自給率の向上だ。
マイクログリッド構築はその核心に位置する。
地域ごとに自立したエネルギー網を築き、災害時にも止まらない電力供給を実現する。
それは単なる技術プロジェクトではなく、国土を再設計する国家戦略である。
高市政権が掲げる「強くしなやかな日本」の具体化そのものだ。

 

過去10年、日本のエネルギー政策は「理念なき数値目標」に縛られてきた。
環境省の役人達は再エネ導入量を目的化してしまった。
そこに経済人たちも寄って集った。
その結果が、メガソーラーによる環境破壊、国を削る行為に繋がってしまった。

 

これからの10年は、「理念ある構造設計」が問われる。
COPという舞台を離れても、国内で確かな構造を築くことこそ、真の国際貢献ではないだろうか。

 

沈黙は、ときに最も雄弁なメッセージとなる。
高市政権のCOP欠席は、まさにその象徴である。
私はこの流れを、「マイクログリッド国家戦略」の胎動として捉えている。
エネルギーを語ることは、国家経営を語ることだ。
その舞台の中心に、“経営屋”の挑戦がある。

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